何があっても、君の傍にいるから

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「あの、その、私寝ぼけてて…っ」 「いいから、そのままくっついててよ」 「でも、服着ないと…」 「まだ着せないよ。これから朝風呂一緒に入るんだから」 「あ…朝風呂…一緒に!?」 「とりあえず落ち着いて。黙って」 布団の中でジタバタともがく彼女を落ち着かせるために、朝にしては少し濃厚なキスをした。 舌を絡ませると、素直な彼女はもがくのをやめて。 代わりに俺の背中にぎこちない動作で手を回した。 甘い空気が、二人を包む。 この空気を遮るものは何もない。 今更ながら、自分でも気付いてしまっていた。 自分がこの胸焼けしそうなくらいの甘い空間を作り出している事に。 ……まぁ、この子が相手なら仕方ないか。 「あの、棗くん」 「何?」 「……朝から、するの?」 「うん。ダメ?」 答えながらも、キスはやめなかった。 「ダメじゃないけど……私昨日、いっぱい汗かいちゃったから体ベタベタなの。だから、シャワー入りたいなぁって…」 「だったらやっぱり風呂入ろうか」 そう言いながら俺はすぐさま起き上がり、横になっていた彼女の身体を抱き上げた。
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