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「嫉妬じゃないの?」
「え?嫉妬?先生が?まさか…」
「男として、とかじゃなくて。なんていうか、親目線的な?」
「……そうなのかな」
「あんたって、本当周りに愛されてるよね」
「………」
「愛される理由、わかるけど」
自分で認めるなんておかしいと思われるかもしれないけど、認めないわけにはいかなかった。
……だって本当に、沢山の愛を私は貰って生きてきたから。
「……うん。本当に、恵まれてると思う」
「でも、知らなかったな。あんたのファーストキスの相手、あの先生だったんだ」
「っ!それは…っ、私はもう忘れちゃってて、でももし先生の言った事が本当だとしてもキスしたのはほっぺだし、私が覚えてなければもう時効っていうか…」
「俺だと思ってたのに」
その瞬間、棗くんの大きな手が私の後頭部を包んで。
キスされる、なんて考える隙もなく、唇は一瞬で奪われていた。
甘くて、優しいキスだった。
壊れないように、大切に扱われてる気がした。
……あぁ、私、愛されてるなぁって思った。
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