生きる希望、生きる意味

11/24
前へ
/24ページ
次へ
その翌日。 先生は私に検査の結果を伝えてくれた。 結果を聞くときはパパとママも隣にいてくれたから、少しだけ緊張感が和らいだ。 「撮影したCTの結果なんだけど、ここ、見えるかな。冠動脈のこの部分が狭窄しかかってるんだ」 「……狭窄……」 私は心臓血管の先天性の病気で、生まれつき動脈に瘤がある。 この瘤が破裂してしまったら、もちろん命に関わる。 だけどこの動脈瘤を消し去る事は不可能で。 だからこの瘤を破裂させないために、幼い頃から何度も手術や入院を繰り返してきた。 この病気とは、一生付き合っていかなくてはならない。 心臓の周りの血管はとても細い血管で。 その血管が詰まってしまうと、危険な状態に陥ってしまう。 「完全に狭窄してしまうと危険だから、そうなる前に手術をして詰まりを改善させないといけないんだ」 ……でも先生、毎月の診察では特に異常はないって言ってたのに。 「……手術はいつ頃?なるべく早い内にやらないと危ないんじゃないのか」 「そうですね…本当に急なんですけど、出来れば来週の月曜日に…」 パパと先生の会話が、耳に入ってくるようで入ってこなかった。 手術、 しないといけないんだ。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

419人が本棚に入れています
本棚に追加