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その翌日。
先生は私に検査の結果を伝えてくれた。
結果を聞くときはパパとママも隣にいてくれたから、少しだけ緊張感が和らいだ。
「撮影したCTの結果なんだけど、ここ、見えるかな。冠動脈のこの部分が狭窄しかかってるんだ」
「……狭窄……」
私は心臓血管の先天性の病気で、生まれつき動脈に瘤がある。
この瘤が破裂してしまったら、もちろん命に関わる。
だけどこの動脈瘤を消し去る事は不可能で。
だからこの瘤を破裂させないために、幼い頃から何度も手術や入院を繰り返してきた。
この病気とは、一生付き合っていかなくてはならない。
心臓の周りの血管はとても細い血管で。
その血管が詰まってしまうと、危険な状態に陥ってしまう。
「完全に狭窄してしまうと危険だから、そうなる前に手術をして詰まりを改善させないといけないんだ」
……でも先生、毎月の診察では特に異常はないって言ってたのに。
「……手術はいつ頃?なるべく早い内にやらないと危ないんじゃないのか」
「そうですね…本当に急なんですけど、出来れば来週の月曜日に…」
パパと先生の会話が、耳に入ってくるようで入ってこなかった。
手術、
しないといけないんだ。
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