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「……私、頑張るから。手術だって、何度でも耐えてみせるよ。だから…っ」
だから、ずっと傍にいて下さい。
私の命が尽きる、その瞬間まで。
そう言いたかったけど、言えなかった。
さすがに、重すぎる気がしたから。
「……だから?」
「だから……、応援…していて下さい」
「何それ。今更?」
棗くんは小さく笑って、私の髪をくしゃくしゃと掻き乱した。
「ちょ…やめてよぉ、ぐちゃぐちゃになっちゃう……」
いつか、面と向かって言える日が来るかな。
プロポーズだと捉えられてしまいそうな、あの言葉を。
……言える日が、来るといいな。
「棗くん、ありがとう」
「何が?」
「……凄く、軽くなった」
ずっと胸の奥に溜め込んでいたものを、棗くんが受け止めてくれたから。
「……棗くんは、重くなってない?」
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