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「……お腹すいちゃった」
「夕飯食べたばっかりなんじゃないの?」
「だってー…、病院のご飯、ちょっと物足りないんだもん」
「退院したら、あんたの好きなもの何でも食べに連れて行ってあげるから。今は我慢」
「本当?じゃあ私、お寿司がいいな」
「好きだね、本当」
「何にしようかな。サーモンと、ウニと、まぐろとー……」
「とっておきの寿司屋、探しておくよ」
入院生活三日目。
この日、一通りの検査が終わった。
あとは結果が出るのを待って、それから今後については蓮先生が決めていく。
すぐに退院出来るのか。
それとも、このまましばらく入院になってしまうのか。
不安は募るばかりだけど、棗くんが傍にいて励ましてくれるから、元気でいられた。
「……今日、仕事で何か変わった事あったりした?」
「別にいつも通りだよ。あ、そういえば昼に関と部長と近くの定食屋に行ったんだけどさ」
棗くんの声を聞いてるだけで、ほっとした。
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