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「何?」
「だって、入院してから棗くんに毎日会えるようになったもん」
普段は棗くんは仕事で、私は学校があって。
仕事は残業になってしまうときもあるし、私も学校の友達と放課後は勉強する事が多いから。
だから、毎日なんて会えなかった。
でも今はこうして、仕事の後は棗くんが必ず病院に立ち寄ってくれる。
面会時間のギリギリまで、私の傍にいてくれる。
その気持ちが、何よりも嬉しかった。
「あと何日入院が続くかわからないけど…もう三日連続で棗くんの顔見れてるから、ラッキーかな」
「……あ、そ」
「あ、今ちょっと照れた」
「照れてない」
「ウソ。棗くん、わかりやすいもん」
ここが病院じゃなければ、もっと楽しめたのに。
と、やっぱり少しは思ってしまうけど。
「あのね、棗くん照れたとき絶対顔背けるんだよ私から。それでね、鼻を掻くの。こちょこちょって」
「は?そんなのしてないし…」
「棗くんが気付いてないだけだよ。だって私、棗くんの事凄い見てるもん」
棗くん本人さえも知らない、私だけが知ってる棗くんの癖。
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