君の前で流した、涙の理由

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「……私も、充電したいな」 恥ずかしがっているくせに、素直な言葉を口にしてくる彼女が堪らなく可愛くて。 つい意地悪したくなってしまう、悪い癖が顔を出す。 「じゃあ例えば、俺に何をしてほしいの?」 「えっ……」 「具体的に言ってみてよ」 ほら、その顔。 困ったように目を泳がしながら、必死に何かを考えるその表情。 ……困った顔を見るのが好きだなんて、人には言えないよな。 「……ぎゅって強く抱きしめてほしい」 「あとは?」 「……いっぱい、キス…してほしいな、なんて」 何でそこで止めるかな。 キス以上の事も、してほしいくせに。 「それは入院中でも出来るよ」 「え…」 「俺が言ってる充電は、その先なんだけど」 「…っ、そ、その先……」 「そう。その先の、やらしい事ね」 欲求不満の男の発言だと呆れられてもある意味仕方ない。 でも、呆れられてもいいから、彼女の純粋な反応をまだまだ楽しみたいと思ってしまう俺は。 ……この恋のせいで、もう相当おかしくなってるかもしれない。
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