462人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?お祝い?うん、ありがと。でも今日の夜は多分棗くんと会うと思うから……」
お祝いをすると言ってくれたママに対して申し訳なく思いながらも、今夜の予定を伝えた。
何時に会うとかは決めていないけど、昨日棗くんと電話で話したときに、今夜は会おうって約束してくれたから。
ママは『じゃあお祝いは明日ね』と嬉しそうに言って電話を切った。
「純」
「あ、冬汰」
「電話、終わった?」
「うん、今終わった。ママに合格した事報告してたの」
今日は冬汰と未央とランチの約束をしていた。
場所は未央の行きつけのオーガニックカフェ。
私は二人よりも先に到着していて、私より少し遅れて冬汰が店に入ってきた。
「星野は?まだ来てねーの?」
「うんさっき連絡来て、少し遅れるから先に食べててって」
「アイツが誘ってきたくせに遅れるとかいい加減だな本当」
冬汰は呆れたように文句を言いながら私の目の前の席に座った。
すると、私達の席から少し離れたテーブルにいる女の子二人が、冬汰の事をチラチラ覗き見しながら騒いでいた。
「見て、イケメン来た!」
「あの二人付き合ってんのかな。いいなぁ~私もあんなイケメンの彼氏欲しい!」
……絶対冬汰の耳にも届いているはずなのに、当の張本人は全く気にする事なく淡々とランチメニューを注文していた。
最初のコメントを投稿しよう!