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「……ねぇ、冬汰。向こうの席の子達にイケメンって言われてるけど」
「だから?」
「………」
相変わらずクールな反応。
冬汰って本当、自分に対して好意を示してくる子に冷たい気がする。
「浮かれたりしないんだね」
「慣れてるからな」
確かにこういう女子からの黄色い声には慣れてるんだと思う。
昔から、冬汰は女の子に対して特別優しいわけじゃないのに、何故だかモテていた。
未央いわく、背が高くて運動出来て顔もそこそこ良ければ性格が多少悪くてもモテるシステムになっている…らしいけど。
「それ、自分で言っちゃうんだ」
「だって謙遜とか意味ないだろ」
「……冬汰って今彼女は…」
「いらない。まぁ、いても言わないけど」
「え、教えてくれたっていいじゃん」
「お前と星野に話したら、絶対面倒くさい事になるから言わない。メリット一つもないし」
「ケチ」
「ケチで結構。つか、心配すんな。俺もそれなりに遊んでるから」
「遊んでるって……」
前から思っていたけど、冬汰はちょこちょこ謎が多い。
大学の交友関係だって、私はほとんど知らないし。
……何かいろいろ、余計に心配だ。
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