462人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヤダ、可愛い!梶真くんの妹?」
「え、マジで?梶真妹いたのかよ!凄い可愛いじゃん。何で今まで隠してたんだよ」
「どうも初めまして!俺、梶真と同じ部署の榎本です」
「あ…初めまして!」
勝手に妹になってしまった。
こういうとき、『私、彼女です!』って言いたい。
凄く言いたい。
大声で今すぐ言いたいのに。
小心者な私は場の雰囲気に飲み込まれてしまって、この瞬間だけは妹になりきろうと覚悟していた。
でも棗くんが、そうはさせなかった。
「何勝手に妹って決めつけてるんですか。この子、彼女なんですけど」
「え!?彼女?梶真の彼女?本当に?」
「ウソ、彼女若くない?何歳?」
「あ、あの、今21歳です!」
年齢を伝えると一層その場は盛り上がってしまって、いたたまれない雰囲気に。
でもそんな事よりも、棗くんが躊躇する事なく『彼女なんですけど』と私の事を紹介してくれて。
『嬉しい』のバロメーターが一気に急上昇した。
最初のコメントを投稿しよう!