エピローグ

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先輩達からの追及から何とか逃げ切った私は、職場を出た後スーパーに立ち寄って帰宅した。 夕飯の食材を大量に買い込み、棗くんが帰宅する前に料理を完成させるためいつもよりピッチを上げて腕をふるった。 今日の食卓に並ぶものは、和食。 かれいの煮付けに、蓮根のきんぴら。 前日に作り置きしていたひじきの煮物に、切り干し大根。 蟹あんかけの揚げ出し豆腐に、ほうれん草のおひたし。 棗くんも私も和食が好きだから、自然と夕食のメニューは和食が中心になる。 今日はいつもよりも特別な日。 だから、外食を提案してみたけれど。 棗くんのリクエストが『あんたのいつもの手料理』だったから。 棗くんの事を想いながら、心を込めて作ってみた。 「そろそろ完成かな」 ちょうど煮魚がいい感じに出来上がったところでガチャガチャ…と玄関の方から鍵を開ける音が聞こえてきた。 「ただいま」 「あ…お帰りなさい!」 帰宅は大体いつも私の方が早い。 だから棗くんが『ただいま』で、私が『お帰りなさい』を言う事が多い。 私はこの瞬間が、たまらなく好きだったりするんだ。
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