エピローグ

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『今日は残業しないで帰るから』 一日の仕事を終え、ほっと一息つきながら休憩室のロッカーからスマホを取り出すと、棗くんからのメッセージが届いていた。 今日は早く帰ってきてくれるんだ。 棗くんからのメッセージ一つで、簡単に舞い上がってしまう私。 「ちょっと純ちゃん。何スマホ見つめながらニヤニヤしてんのぉ?」 「え、ニヤニヤしてました…?」 「ほっぺた緩み過ぎ!」 先輩看護師さんに頬を軽くつねられ、茶化されてしまった。 どうやらこの職場での私の位置付けは、『いじりやすいキャラ』らしい。 「どうせ旦那の写真見てニヤニヤしてたんでしょ」 「違いますよっメールです!」 「同じようなもんだし」 そして既に職場内でも、私がどれだけ棗くんに夢中になっているのかがまるで周知事項かのように知れ渡っていた。 「あ、私この間見ちゃった。梶真さんが旦那さんと一緒に歩いてるとこ」 「え」 「もうね、完全に二人の世界って感じで、声かけられなかったんだよね」 ……客観的にどういう風に見られてるのか、今更ながら怖くなる。
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