6/8
前へ
/23ページ
次へ
「その今井くんとは、付き合ってないよ」 私の言葉に、井沢くんがニコリとした。 「ほら見ろ。大丈夫だっただろう?俺、今井にも命に関わるから辞めておけって、釘さしといたんだから」 「釘?」 「ああ、今井のやつ、山崎にベタ惚れだったんだけど、オーちゃんの占い、当たるからさぁ」 「ええーっ!」 (知らんかった。ベタ惚れって、少しもったいなかったやん) 「でも、今、違う今井くんと、付き合ってるって言うか……」 「そのニュータイプの今井くんとは付き合ってなかったことには出来ないの!」 (出来ても、したく無いんよ) すごい剣幕のオーちゃんを井沢くんが押さえ込んだ。 「よし、ニュータイプは俺の養子にして井沢性を名乗らせよう」 (あんたら、盛り上がりすぎちゃう?) 「養子ってありえんわ。そのニュータイプに今から会うねん」 「秋人くんなら不可能を可能に出来る!養子縁組を頼むわっ。私は葵の援護をするから」 (だから、変に盛り上がりすぎって……) 「と、取り敢えず、アタシなりに先に進ませて……」 アタシは玄関のドアを開けた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加