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-警視庁- 「リチャード・ハリソン、これより警視庁捜査一課課長に就任を命じる」 「OK 」 「それで、今この場所に私は必要あるの?」 ミリーナは警視総監との始めての対談を日本のスナック菓子を片手に暇そうに傍聴していた。 「ミリーナ、一応日本でもトップクラスの権力者だから菓子を食うのはやめろ」 「エネルギーを補給している、先程のハイジャックのせいで一段と疲れたからね」 「は、はは...」 こればかりは警視庁のトップである警視総監も苦笑するしかなかった。 「おいおい、初めての対談で菓子食うか普通?」 「馬鹿と天才は紙一重ってことかしら」 警備上の関係で後ろに立っていた重見と前島も彼女の行動は常人の斜め上を行ってると思うしかなかった。 「それで例の事件は解決しそうですか?」 「まあ待て、あくまでも資料に目を通した限りの仮説だからね」 「ここ近年、高校生を中心とした謎の死亡事件が増えています、本当に黒幕と呼べる存在はいるのだろうか?」 「そのはずよ、少なくとも誰かが手を引いているのは確かね」 守川高校連続殺人事件にて、柴田輝樹の遺体から銃弾が頭部を貫通していたところを発見された。 間違いなく沢谷一弥の犯行だった、しかし彼はどうやって拳銃を所持していたか。 それだけではない、後に逮捕された当時守川高校の生徒を狙った殺し屋達を動かすほどの資金源をどう調達していたかが最大の疑問点である。 「立て続けに起こっている狂気に満ちた事件には協力者がいる、そしてまた再発する可能性は十分にありえる」 「...!?」 「そして守川高校の 体育館倉庫で見つかった死体の山、その中にあった肉切り包丁には沢谷一弥の指紋は検出されなかった、その代わりにあの場に居たとされる守川高校の生徒の指紋が検出された」 ミリーナは早々に持論を説いて、この事件の可能性について呼びかけた。 「確かに、あの体育館倉庫にあった肉切り包丁には東雲夏樹と前橋由香里の指紋が検出された、だがそれが一体何だというのかね?」 「まだ気付かないの?つまりあの中では沢谷一弥以外の人達で殺し合いをしていた可能性があるわけなの」
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