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「...まさか」
「そう、沢谷一弥はクラスメイトの間で内輪揉めさせていた、直接自分の手で殺すことを極力避けていたの」
このことが何を表しているかはまだ定かではない、だがこれだけは言える。
当時の沢谷一弥もしくは影の黒幕はこの出来事を楽しんでいた。
____♪
「おい、対談中なんだから電源ぐらい切っておくように」
「す、すいません...はは...」
重見は携帯を確認すると着信が掛かっていた。
「誰からなの?」
「え、いやそれは...」
「どうしたの、ガールフレンドからでも掛かってきたの?」
「...そうなの?」
「き、気にしないで続けててください...!」
重見は逃げるように部屋から退室して携帯に出ていた。
「すいません二人とも、こんな忙しい時に席を外すなんて...」
「気にしていませんから大丈夫です、それよりこれからの捜査進行目的として沢谷一弥との面会を許してもらえませんか?」
「リチャード、彼は口を割らないのではなかったか?」
「沢谷一弥は大事な情報源だ、何としてでも情報を割らせてもらわないと捜査は難航するだろう」
「ちょっと待って、拷問はこの国では証拠にならないわよ?」
「大丈夫だ、そのつもりはない」
何やら怪しい言動をするリチャードに周りは不信感に襲われた。
「分かりました、でもすぐにとは行きませんので明日にでもどうですか?」
「それで構いません」
「...」
「それでは予定もまとまったことですし、一回目の対談はこのくらいにしておきましょうか」
こうして、来日初めての対談が終了してリチャードは無事に捜査一課課長に就任した。
その夜_____
「はあ...」
人は皆不満を持つ。
それは知性というものを得た以上存在そのものが必然化されたものだ。
例えば、一般家庭に生まれてきた子供は『もっとお金持ちの家で生まれたかった』と不満を抱くが、逆に富裕層の家で生まれてきた子供は親からや周りの人からの期待に答えないといけないことが多く『いっそ一般家庭に生まれたかった』と不満を抱く者もいる。
___私は間違いなく後者だ。
生まれた時から決め付けれた相応の品格で、周りの期待に答えることに専念していた。
この前なんて、そのせいで拉致監禁だってされてしまった。
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