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「何かを阻害しているの?」 「...」 「あなたと私は味方のはず、嘘はやめない?」 「いや、しかし...」 ミリーナはその優秀な頭脳で思考した、これまでの会話を辿って推測できることを次々と脳内で取り上げる。 そして、一つの推測に辿り着いた。 「...私の義理の家族に、何かあったの?」 総次郎はミリーナを必要以上に自分の家に泊まらせようとした。 それは、ミリーナの義理の父親である上条の自宅に近づけさせないために行ったことだった。 つまりミリーナの家族に何かしらの出来事が起こって、その情報がミリーナにとってマイナスな情報だとしたら総次郎が嘘をついている理由が説明できた。 「...もう駄目か」 「え...?」 「ちょっと外に出ないか?」 すると総次郎は携帯を取り出して、何やら車の手配するようにと部下に命令を出していた。 「何処に行くの?」 「君の義理の家族の家だよ」 ______ 車で約一時間、高層マンションが立ち並ぶ都市街から少し離れた住宅街に運転手付きの高級車で移動していた。 「しかし、この町も変わってないわね」 「まあここは都市街から少し離れているからな」 すると三年前に始めて砂夜と会った公園が通りすがりに見えた。 「懐かしい...」 そうだ、あの場所で砂夜と出会った。 そして私に友達ができるように影から支えてくれた義理の兄が居た。 「お兄ちゃん...」 「着いたぞ」 車が道路に駐車して運転手にドアを開けられる。 「それで、上条家は何処にあるの?」 「...ここだよ」 しかし彼が指を指した先は何もないただの荒地だった。 「ふざけないで早く教えてよ」 「ここが上条家だ、もっとも家はもう無いがな」 「え...?」 ミリーナはその事実に呆然と立ち竦むしかなかった。 「い、家が無いって、何処かに引っ越したの?」 確かに場所はここであってるはずだ、ならどうしてここに上条家がない...? 「いや、数ヶ月前にこの家で爆発があってな、原因は分からないが家中に水素が充満していたらしい」 「...どういうことよ」 「そこで当時この家に勤めていた家政婦と上条総冶は死亡...」 「さっきから何を言ってるの!?爆発とか水素が充満とか普通考えられないでしょ!?」 ミリーナは必死に論を展開して現実を否定した、まるで都合の悪いことには逃げる子供のように。
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