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「...!!」 「相変わらず稽古頑張っているね」 「まあな...」 成馬が通っている高校には剣道部が無い、なので家に帰って部活同然に稽古場で素振りをするしか彼の武の技術を磨く術がなかった。 「ねえ、何でそうやって毎日頑張るの?」 「何でって言われてもなあ...」 成馬が剣道を続ける理由にはそれ程大きな大義は無かった。 だがあえて理由を述べるとしたら二つばかりある。 「そうだな、やっぱり父親の背中に憧れてとかかな」 「ふーん...」 「後はまあ、守りたいと思うものを守る為とか?」 「何よそれ?」 「自分が大切だと思い守りたいって思ったものでも、守れる力が無かったら何も出来ないだろ」 彼がどうしてそこまで正義に拘るのか、それは美鈴にも昔から分からないことであった。 「じゃあその、守りたいものって何よ?」 「...それは」 しかし成馬は言葉を詰まらせてしまう。 それほどまでに言い難いことだったからだ。 「お、おま...」 ____♪ 成馬と美鈴の携帯から同時にメールが送られた。 「成馬からもメール?」 「ああ、何だろう...」 恐らく携帯会社からの広告か何かだろうと思ったが、美鈴からも同時にメールが来ていることに何やら違和感を感じた。 「あれ...?」 そのメールを開くと同時に画面が一度真っ暗になった。 「せ、成馬!!画面が真っ暗に...」 「...」 しばらくすると真っ暗な画面に文字が浮かび上がった。 ___『アカウント作成完了』 ___『ただいまよりゲームを開始します』 「...!?」 その後携帯であるスマホの画面は元に戻ったが、 見に覚えが無い謎のアプリがダウンロードされていた。 「ちょ、ちょっと何よこれ!?」 「分からない...」 そのアプリはメールを開いたと同時に強制ダウンロードされていた。 この状況から察するに悪質なウイルス等が働いているのは明らかだったのだ。 「やだ...成馬先に開いてよ...」 「え、俺かよ」 成馬は極端に嫌がるしかなかったが、ここでアプリを開くことを拒むのは男として如何なものかと思い、スマホに強制ダウンロードされたアプリをタップした。 「...学級投票?」 薄暗い背景には左から順に『投票』『手持ち』『課金』『組織表』と記されたボタンがあり、その下には『残り7時間』という文字と上には『学級投票』というロゴがあった。
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