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滑走路の限界まで残り50m、その距離で何とかミリーナが乗っていた飛行機は止まった。
「や、やったんだ...」
すぐさま消防隊が駆けつけて燃え盛る前輪を消火する。
「はあ~疲れた...」
「...」
最初に後輪だけを地面に接触させて前輪が接触する時間を短くした。
その事によって滑走路からずれる事なく着陸を成功させた。
絶妙な操縦テクニックと並大抵の知識が無ければこなせない神業に違いはなかった。
「おつかれ、ミリーナ」
「さすがに死ぬかと思った...」
やっぱり強がっていたのか、まあまだ13歳だから仕方がないだろう。
「さあ降りるぞ、この機体が安全とは限らないからな」
「...ええ」
ミリーナとリチャードは設置された脱出用滑り台でコンクリートの地面に降りると、そこには乗客達の黄色い歓声が飛んで来た。
「凄い、本当にミリーナだ!!」
「こんな女の子が飛行機を操縦したというのか?」
「うむ、中々の出迎えね」
「全く、何処までも規格外な人材だ...」
日本時間 午前7時
警視庁捜査一課課長 リチャード・ハリソン
アメリカ科学捜査研究所 №.2 ミリーナ・エリック
来日___
「二人共、大丈夫でしたか!?」
「あなた達は?」
「申し送れました、私警視庁捜査一課警部の重見と申します」
「同じく、捜査一課警部の前島です」
迎えに来ていた捜査一課の警部達が二人の安否を確認しに滑走路を特別に通っていた。
「今回の飛行機事故、二人共無事で何よりです」
「たまにはこういうのも、スリルがあっても面白いかもな」
「...」
ミリーナは半心好奇心が踊っていたが、リチャードはもう二度とあのような経験はしたくないと強く切願した。
「さてと、さっそく日本警察の砦に向かうとするわ」
「あ、お荷物お持ちします」
「結構、このバッグには仕事に使う道具が入っているから」
二人を運転手付きの黒色に光る車に乗せて空港を後にした。
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