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「ここは相変わらず涼しい所ですね」
「そうでしょう。1年中気温が一定化されております故。」
案内人の見た目清楚そうな女性(これまた中身ゴロツキ)の無理に作った喋りにツッコミかけながら、笑いを堪える。
(無理あり過ぎやろ、このねーちゃん……。1年中気温が一定化してるって言うんは、多分ここに来た時にホンモノの案内人のねーちやんに聞いたんやろな。)
キョロキョロと辺りを見渡しながら、城内を探る。
(基本的には、まだ結婚式準備中…ってとこやな。ちと忙しいんか、まあまあ人が居るわ。流石に人口密度で暑なるわ。)
「あ、あの……イグアさん……。」
「ん?なんや?相棒。」
「あ、相ぼ…っ?」
途端に俺に近付いてきて、小さくひそひそ声で喋りかけて来る。
(相棒ってなんですか!)
(まずそこかい。お前の正体隠したってんねんや。)
(あ、あぁ……なるほど……。ところで、何考えてるんですか?こんな易々と城内に入っちゃって……何か作戦とかあるんですか?)
(ん~~……今んトコは無いな。)
「なっ!?」
あまりの事で驚いたのか、声を荒げかけ、少女は口を押さえる。
「どうしましたか?」と偽案内人に問われながらイグアが「なんでもない、気にせんといてください」と言い、そこから無言のまま王室間へと連れて行かれた。
(良くもこんな簡単に王室間に連れてけるな……。普通知らんやつとかが来たら、兵士が荷物受け取って、渡しとくわってのが一般的やねんけどな……あ、こいつらゴロツキやったわ。)
5分歩き、辿り着いた王室間のドアが開かれ、豪華で素晴らしく広い部屋へと繋がった。そこに居た数人の人間の顔を見て、王様と王妃以外全員、ゴロツキだと言う事が分かり、そのまま王様の方へと向かう。
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