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少年は衝撃を飛ばしたまま怪鳥がぶっ飛んだ地面より後方、空の方へと軽く吹っ飛びながら、ニヤッとした顔でトドメを刺しに向かう。
首に向かって、回転し、遠心力を掛けながら、かかと落としをキメる。
「ウォラァッ!!」
ズドンと鈍く思い音が地面に鳴り響き、軽く地面を揺らす衝撃をぶつける。
「グゲッ」
怪鳥はそのまま死んでしまった。
「うへへ、いただきます。」
少年はウエストポーチから虫眼鏡を取り出し、太陽光を利用して火を付け、怪鳥を丸焼きに焼いて行く。
怪鳥を焼いている間に馬車を連れて来る。馬に水を飲まし、少し走り、怪鳥を焼いている場所へと戻る。
戻って来た時に、ふと見ると近くにマントを被った人間が倒れていた。
「あれ、さっきは居らんかったのにな…」と呟きながら近付く。チョンチョンと頭を突き、「おーい?」と囁く。
無言で動かないので、マントを取ってみる。顔が見えなかったので、身体の向きを変えて寝かす。するとそこには髪の長い美しい顔立ちの女の子が苦しそうな顔で何かを消えるように呟いている。
「………た………」
「あ?」
顔を口元へと近づけ、声を聞く。
「……お腹……減った……。」
ズゴっと軽く転けかけ、女の子を持ち上げ、馬車の中へ寝かす。
とりあえず飯だと言う事で、馬車からちょっとした調味料を出してきて、軽く調理を始める。
怪鳥の丸焼きと、骨で炊いたスープで、食料の食野草を入れ、簡易野菜スープを作る。
「うっへへ~。やっぱ飯食うんは、軽く調理してからやんな~。うはぁ、腹減ったわぁ~。」
自分の作った料理の香ばしい匂いを嗅ぎながら出来上がりが待ち遠しいとニヤける。30分後、丸焼きは、綺麗に焼き上がり、簡易野菜スープは、ラーメンのスープに使っても良い程にいいダシを取った。その匂いを嗅ぎついたのか、女の子がムクっと起きていた。
「お?嬢ちゃん起きたか。ちと待てや。皿に盛るからな。……えっと、ナイフナイフは…~っと、あったあった。」
馬車からサバイバルナイフを持ち出し、それで怪鳥の丸焼きを適当なサイズに斬り、皿に盛る。
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