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「グ~~ッッ」
腹の虫を聞かれた恥ずかしさで、少し赤くなっている女の子へと、怪鳥の丸焼きと、簡易野菜スープを渡す。
「……ッ!あ……あ……」
あまりの空腹だったのだろうか。少女は、動物が獲物を喰らう如く、飯を喰らっていた。
「ほいほい、ゆっくり食えや。飯は逃げへん。ほな、ワイも食うかな。いただきます。」
そうして、30分後。ご飯を食べ終え、少女はやっとの事で声を発した。
「あ、ありがとうございます……。とても美味しかったです……。」
「おう、美味かったか。そら良かったわ。」
「は、はい!」
「んで、お前誰や」
「え、あ、えっと……。」
どう答えたら良いのだろうかと、悩んでいるのだろうか。モゴモゴとして、簡単な質問なのだが、答えようとしない。きっと、何か深い事情があっての事だろうか?
そう考え、少年は自分から自己紹介をした。
「はははっ、そんな怯えんでや。ワイは別に怪しいもんや無いし。ワイは、イグア。イグア・サルヴァドーリ。旅のお届け屋やってて、この砂漠の中心の国に荷物を届けにここまでやってきたんや。」
「……っ!?それはダメです!!国には……行ってはいけません……っ!」
「…………なんでや?」
(やっぱなんかあるんか……。めんどくさい事にあんま巻き込まれたくはないけど、一応仕事あるしな……。)
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