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「危険です!行ってはいけません!」
「だから、なんでや」
「き、危険なんです!!」
「だからなんで。」
「と、とにかく、この砂漠から出て行って逃げてください!!」
(イラッ)
「うし、んならそろそろ出掛けるか。いつまでもこんなとこおっても暑いだけやしな。」
「ダメですよ!国に行っては!」
「……知るか。理由も分からんのに危険とか言われて、はいそうですかってなるか?なるわけないやろ。なめんなよ。」
「……で、でも……。ど、どこからどこまでを話したらいいのか分からなくて……。」
「うし、ワイに全部話せ。とりあえず馬車乗れ。話はそっからや。」
スクッと立ち上がって、女の子を軽々しく持ち上げ、馬車へと乗せる。
「だ、だめです~!」
そんな女の子の言葉を無視して、馬車を走らせる。
「ちょ、ちょっと!話聞いてんですか??」
イグアの背中をパンパン叩きながら、そう訴える。
「うし、話せ。」
しかし、意味無し。
「え?え?え?」
「お前の砂漠に倒れとった事情を全部話せ。飯食ったやろ。」
ついに、少女はイグアと名乗る少年の強引さに負け、隠そうとしていた事を話す事に。
「じ、実は私は国の次期王女でして……その夫を募るため、2日ほど前に国で格闘技の大会がありまして……。そこで優勝をした若者と私を結婚をすると大臣が勝手に決めまして……」
膝の上に顎を乗せ、体操座りの形にイグアの後ろに座り込み、語り出す。
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