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「へぇ…それで、結婚が嫌やからって逃げてきたって?そんなわけないよな?」
「は、はい……もちろんそれだけなら私がガマンすれば良いだけの話なんです……」
「んー、まあ別に嫌なら嫌やって言うてええと思うけどな。」
「そ、そういうわけにもいかないんですけど……」
「で、それで?」
「は、はい。その格闘技の大会を見事優勝してしまったのが、カルフェイという男でして……。」
「カルフェイ……?カルフェイやと?は?あの世界の大盗賊で有名な?」
「は、はい……。」
「はぁ~、あのオッさん何考えてんねん……こんなガキみたいな女と……オッさんロリコンか……って、普通に国欲しいだけか。」
「このままじゃ、国が……。」
「いや、お前逃げ出して来てる時点で、国のほとんどのやつら殺されてる可能性あるからな。」
「……え……?」
「いや、「え」やあらへんわ。お前アホなん?自分だけ逃げて来たらそれでオーケーやって思ったわけ?めでたい頭脳してんな。」
「い、いや、結婚式自体は明日なんでだ、大丈夫なはず……その間に……私が助けをと……。」
「いや、普通城の兵士とかに行かせや。姫に危ない旅させんなよ。なんやお前の国は揃ってアホなんか」
「あ、いえ、逃げ出す事に関しては私の独断で、勝手に抜け出して来ただけなので……」
「はぁ?……まあ、どうでもええけど。その間にバレたらお前の城のやつらどうなるか知らんぞ。多分なんとか誤魔化しとるやろうけど。」
「イ、イグアさん…って言いましたよね?」
「おう」
「やっぱり危険ですので、このまま引き返して、保安官にでも報告に……。」
「こっから」
「へ?」
「こっから5日くらいかけて砂漠出るんと、後1時間か2時間かけて国行くんとどっちがいい?」
「…………。」
「ワイはどっちにしろ仕事があるんや。行くぞ。」
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