番外編3 かけがえのない人

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「みんなの前で誓ったし、やっぱり今夜は初夜だな」 「あ、いや、でも」 慌てる僕を見て、高矢が楽しそうに笑った。 帰り道、僕は隣を歩く高矢を見た。 高矢がいなかった2年間を思い出すと、今でも張り裂けそうなくらい胸が苦しくなる。 よく自分の半身を見つけるって言うけど、僕にとっては高矢がそうなんだ。 何をおいても守りたい、かけがえのない人なんだ。 ふと空を見上げると、家々の上に真っ赤な夕陽が浮かんでいた。 「あ、見て。すごく綺麗だよ」 僕は、思わず高矢の腕を掴んで立ち止まった。 「本当だ。綺麗だな」 夕陽に照らされた高矢がすごくかっこよくてドキドキする。 「高矢と見たこの夕陽を、僕は一生忘れないと思う」 「俺も忘れないよ」 ああ、誰もいなければ抱きついてキスしたのに。 少し残念に思いながら形のいい唇を見ていたら、高矢が優しく笑った。 そして、僕の耳に唇を寄せて囁いたんだ。 「家に帰ったら二人きりで結婚式を挙げよう。 もたろん、誓いのキスもしような。 さ、帰ろ」 「うん」 イケメンで、ちょっぴり俺様で、でも、とびきり優しい僕の恋人。 高矢、一生僕の隣にいてね。 《番外編3 おわり》
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