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「颯、すごい、すごい」
新が叫びながら教室に飛び込んできた。
そして、僕を見つけると、グイグイと手を引っ張る。
「新、落ち着いて。どうしたの?」
「だから、すごいんだって。来て来て」
僕は新に引っ張られながら、職員室前の廊下まで連れてこられた。
そこには、テストの成績表が張り出してあった。
この学校では、期末試験毎に100位までの生徒の名前と合計得点を張り出すみたいだ。
「ほらほら」
新たに押されて掲示板の前に立つ。
今回は本当に点数が良かったから、20番位に名前があるかもしれないんだ。
ちょっとドキドキしながら、20番から上を見ていく。
15、14、13、12……あれ、ない。
やっぱり県内一の学校だから、あれくらいじゃ上位に行けないのかもしれない。
「どうだった?」
新が得意気に聞いてくる。
「おめでとう。19位だったね。すごいよ」
新はなんと、19位なんだ。
「ありがとう。でも俺なんてどうでもいいよ。
自分の事喜びなよ」
え?
自分の事って………
「もしかして、分かってないの?
颯、一番なんだよ」
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