7. はじまりの予感

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 いつも通りに歩いてきた公園は、相変わらず人気もなく静まり返っている。  今日はまだ瀧川も来ていない公園は、なんだか殺風景にも思えて。  前まではこの風景が当たり前だったのになと苦笑しながら、いつものようにベンチに腰掛ける。  いつも通りなはずなのに、なんだか物足りないような気がして、空を仰ぎ見ながら溜め息を一つ零した。  いつまでもこんな風に、瀧川に甘えていていいのだろうか。  決着をつけるから待っていてと、告げたはずのオレは。  なのに、いつまで経っても『決着』のつけ方が分からなくて。  以前感じた瀧川への想いすら、今はそれが『愛情』なのかどうか分からなくなってきている。  あの時に芽生えたはずの想いが流されたものではないと、誰かが言い切ってくれたら自信も持てるのに。  瀧川に触れたいと思ったことも、『好き』だと思ったことも、『独り』の淋しさに操られていただけなんじゃないか、なんて。  自分が一番自分を信じられなくて、惑う。  その上、瀧川との今の距離が近すぎて。  『傍』を、当たり前のように思ってしまっているのも事実で。  そのせいで、余計に迷うのかもしれない。  近すぎて、逆に見えなくなっているのかもしれないけれど。  自分で自分が分からなくて、情けなさに唇を噛む。  こんなオレに、いつまでもずっと瀧川を付き合わせていていいのだろうか。  そんな風に悩んでいたら、ざりざりと砂を踏む音が聞こえて。  音のする方に顔を向けたら、まさにその瀧川が、こっちを向いて、嬉しそうな顔をして歩いてくる。
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