37人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
『イチの独り言 ふたりで過ごす、何個か後の季節』
「これがいい」
「え、もう、決めた?」
「ん、これ」
上田サンの店でドレスを選んでる。
あまりにも迷うことなく決めたから、きっと直感でヨシなんだろう。これで、決まり。
物足りない感じもするけど、ま、それは、さなが決めたこと。
たしか、ここまでは、順調だったんだけど。
圭のスケジュールに合わせて、日にちを決めるとか。前に、奴が、
〝お祝いにはピアノを弾いてやるから〟
と言ってたことに、さなは喜んでたから、仕方ない。
選曲も困った。LOVE SONGはナシ、ふたりの大切な曲だから。なら、私が(俺の心臓に悪い)LOVE SONG弾きたいとか、それは、勘弁。ならば、俺が弾くし。演奏会じゃないってね。
前に圭がボツにしたのにしよかって、それでも、俺、複雑だし。言い出すとキリがないから、そのボツがついに日の目を見ることに。
最初のコメントを投稿しよう!