第1章

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『イチの独り言 ふたりで過ごす、何個か後の季節』   「これがいい」 「え、もう、決めた?」 「ん、これ」   上田サンの店でドレスを選んでる。  あまりにも迷うことなく決めたから、きっと直感でヨシなんだろう。これで、決まり。  物足りない感じもするけど、ま、それは、さなが決めたこと。   たしか、ここまでは、順調だったんだけど。     圭のスケジュールに合わせて、日にちを決めるとか。前に、奴が、 〝お祝いにはピアノを弾いてやるから〟  と言ってたことに、さなは喜んでたから、仕方ない。  選曲も困った。LOVE SONGはナシ、ふたりの大切な曲だから。なら、私が(俺の心臓に悪い)LOVE SONG弾きたいとか、それは、勘弁。ならば、俺が弾くし。演奏会じゃないってね。   前に圭がボツにしたのにしよかって、それでも、俺、複雑だし。言い出すとキリがないから、そのボツがついに日の目を見ることに。
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