第1章

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 あと、上田サン、やってくれる。  彼女には、感謝してる、さなとの大切なツールになったから。説教も、ま、ヨシとして。   上田サンが出した企画が通った。それだけ、なのに。  この店では、ドレスも扱っている。キャリアウーマンがこの店でドレスを選び、本番までを媒体で残したい。雑誌とさなの勤めているエステサロン、ホテルとの協賛もゲットして。 「さなさんと彼だから、企画も通ったし、雑誌もホテルもいい感触で」  なんで、さなと俺の許可なく話が進んでんの。 「さなさーん、協力してもらえないですか?」  俺には一言もナシかよ。  ふたりは、いつのまにか、さなは、〝上田ちゃん〟と上田サンは〝さなさん〟と呼び合う仲に。  さなは自分の会社が絡んでるから、断りにくいのを見込んでだ。時期も絶妙だった。これは、ふたりの仲なら、なんとなく察しがついたからだろうけど。さながドレスをあっさり、ここので、決めたから、もう突き進んでくること。ホント、スキのない優秀さ。  セミオーダのドレスを選び、その直しから、本番まで、さなはブライダルエステを受けて、ホテルでの相談やらを雑誌に二回連載する。掲載は本番が終わった月からすぐ。  ただし、条件は出す。
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