第1章

6/15
前へ
/15ページ
次へ
「さなとの生活まで制限するくらいなら、も、やめ」 「ずっと、一緒じゃないですか! 今でも! 一週間くらい、我慢できないんですかっ」 「も、無理。今でも、痕つけんな、なんて冗談じゃねー」 「なんで、さなさん絡むと、こうまで。見た目だけは、いい男なのにっ」 「ありがと、上田サン。めずらしく褒めて」「褒めてへんわっ!」 「上田ちゃーんっ、落ち着いて! ふたりとも、いい加減にして!」 「だって」「でもっ」  キッと、上目遣いで、睨んだ。さなが怒った。顔が真っ赤。 「ばか! 恥ずかしいんだから! そんな話し、大声で言わないで!」  上田とふたり、しゅん。 「やめ、なんて、もう、ありえないくらい、なんだから」  わかってるよ、なんとなく。でも、一応、確認させて。 「例えば、何かしらトラブルあって、どうしてもって場合……さな、睨むなよ。た・と・え・ば、どれくらい影響?」  上田が、ふーって、唸るように息を吐く。それを見ていた阿部店長が、彼女の肩をポンポンとなだめるように、叩く。 「例えば、ですが。かなり、ですよ。それも、私たちが把握してる限りですからね」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加