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「じゃあな・・・」
リンは先に行ってしまったヤッキーとシンを追い駆けて階段を下りた。
「お前…リンとはやけに親しいんだな・・・」
「あ、うん」
小学校時代のリンはサッカー少年で休み時間になるとグランドにシンと出て、ボールばかり追い駆けていた。
そんなリンを教室の窓からクラスの女の子達と眺める毎日。
リンとシンは同じ顔だけど、性格は全くの逆で、リンは社交的で明るかった。
シンは大人しく無口で近寄りがたかった。
リンがアイドルを目指すのは分かるけど、無愛想なシンにアイドルが務めるか心配だ。
リンがヤッキーと同じ事務所に所属し、アイドルになるのか・・・
「私、リンに告白されたコトあるんだ」
興味のない素振りを見せる捺さんを嫉妬させるつもりで話した。
「ふうん」
捺さんは上着のポケットからジッポと煙草を取り出した。
手摺に背中を凭れかけて、ジッポを擦って煙草を吸い始める。
「訊いてます?捺さん」
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