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「パスポートも持ったぞ。俊也」
「では、行きましょうか?」
「ああ~じゃ兄貴に藤ヶ谷…ライバルは消えるよ」
「ライバル?何のライバルだ?烈」
「兄貴に隠していたけど…俺・・・藤ヶ谷に告白したんだ」
私は捺さんに話すつもりはなく、自分の胸の中に仕舞っておこうと考えてたのに、フラれた本人がカミングアウトした。
「はぁ?お前…いつの間に?」
捺さんは目を円くして驚く。
「大体、留奈は俺の妻で、お前の義理の姉貴だ。マジでお前は俺のオンナを奪うのがスキだな」
「…そうだな」
烈君は悪びれる素振りを見せない。捺さんを挑発していた。
桐生兄弟も栗原さんとヤッキーのような仲の良い兄弟になって欲しいと思うけど、それは暫く無理かも。
「でも、結果は見事にフラれた・・・」
「留奈には俺が居る。当然の結果だ・・・」
「俺は今でも藤ヶ谷を忘れてない。
俺は忘れる為にアメリカに留学する。留学から戻って来た時が本当の勝負だ。兄貴」
「何の勝負だ?」
「俺も実力主義の桐生家の人間。このまま負けるのは嫌だ」
「お前が留学から戻るまでに俺はもっと大きくなる。お前の手の届かない位にな」
「烈様、捺様、奥様そろそろ空港に向かいましょう」
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