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困っている生徒を助けたという名目の私的な行動。
その意識がまだ抜けない。故に顔を直視出来ないという。
ここまで意識しているのは間違いなく私だけなんだろうけど……。
「んで、何の用? 今日もサボり?」
「いや、違う」
「……じゃあ何?」
「これ。返しにきた」
そう言って差し出してきたのは、昨日私が貸した折り畳み傘。
ご丁寧にもちゃんと乾かして、私が貸した時より綺麗に畳まれている。
「あ、そう……」
傘を見た瞬間あのシチュエーションがよみがえってきて、更にドキッとした。
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