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これじゃ完全に防げないか……本当梅雨は嫌。
溜め息をついて何となく遠くを見ると。
「あら……?」
生徒が使う昇降口のところに、王子……もとい綿貫君の姿があった。
空を見上げる仕草を何度もして、そこから動こうとしない。
もしかして、と思った時には身体が勝手に昇降口の方へ向かっていた。
「どうしたの、こんなところで突っ立って」
ごく自然に近づき、声をかける。偶然通りすがったふり。
「……センセ」
「雨……凄いわね。部活は休みじゃなかったの?」
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