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私立高校なので保健室にも空調は完備されてはいるが。
冷え性という残念な体質の私は使いどころが難しい。
とりあえず窓を開け自然の風が入るようにした。何もしないよりかは、マシ。
あとは自力で風を作る。ノートやバインダーでとにかく扇ぐ。
でもこれじゃ仕事にならない……そう思っているところへ。
「失礼しまーす」
ガラガラとドアを開け、入ってきたのは保健室常連の王子様。
「ちょっと、ノックぐらいしなさい」
扇ぐ手を止め、対応にあたる。冷静にしているつもりだが、実は……、
心臓は騒ぎ始め、顔は熱を帯びている。バインダーで目から下を隠してごまかしている状態。
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