運命

2/10
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/301ページ
「ねえ、ひかるぅ」 「どの大学狙ってるの?」 沙耶は、1学期の中間テストが終ると、即行聞いてくる。 「大学かぁ?」 「この高校は、殆ど進学だもんね」 「でも、沙耶は何になりたいの?」 沙耶は、笑って   「そんなの大学の4年間で考えれば?」 「専門分野以外なら、何処行っても同じなんだから」 そんなものかな?と、云う思いと、自分がこれから何をしたいのか分からない不安。 そんなある日、クラスで一番秀才の安達 理沙の背中からどす黒い渦が、ひかるの目に留まる。 ひかるには、幼い頃から不思議な能力があった。 それは、時々人の背中からうっすらと綿ぼこりのような陰が見える。 それを、幼い頃ひかるが母親に言うと、気持ち悪そうに 「そんな事言わないの!」 「お母さんには、見えないんだから」 「他の人には、絶対言わないのよ!」 余りの剣幕に、幼いひかるは黙る。 私だけしか見えないんだ! でも、あれは何なの? そんな、ひかるが幼稚園の年長組の時、大好きな球磨先生の背中から大きなどす黒い渦が。 でも、お母さんに誰にも言ってはいけないと、言われてる。 でも、球磨先生は苦しそう。
/301ページ

最初のコメントを投稿しよう!