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「ねえ、ひかるぅ」
「どの大学狙ってるの?」
沙耶は、1学期の中間テストが終ると、即行聞いてくる。
「大学かぁ?」
「この高校は、殆ど進学だもんね」
「でも、沙耶は何になりたいの?」
沙耶は、笑って
「そんなの大学の4年間で考えれば?」
「専門分野以外なら、何処行っても同じなんだから」
そんなものかな?と、云う思いと、自分がこれから何をしたいのか分からない不安。
そんなある日、クラスで一番秀才の安達 理沙の背中からどす黒い渦が、ひかるの目に留まる。
ひかるには、幼い頃から不思議な能力があった。
それは、時々人の背中からうっすらと綿ぼこりのような陰が見える。
それを、幼い頃ひかるが母親に言うと、気持ち悪そうに
「そんな事言わないの!」
「お母さんには、見えないんだから」
「他の人には、絶対言わないのよ!」
余りの剣幕に、幼いひかるは黙る。
私だけしか見えないんだ!
でも、あれは何なの?
そんな、ひかるが幼稚園の年長組の時、大好きな球磨先生の背中から大きなどす黒い渦が。
でも、お母さんに誰にも言ってはいけないと、言われてる。
でも、球磨先生は苦しそう。
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