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「あら、わたくしは褒めていたつもりなのですが……」
「それはそうなんでしょうが……、それよりも、もう一つ、母の魂のことで教えてもらいたいのですが」
「私に分かることであれば」
「いま、母の魂が喜ぶと言うのを聞いて思ったのですが、感情が残っているということは、それこそ喜ばせることも可能なんでしょうか?」
「おそらくは可能でしょう。ただ、その方法となると……」
「分かりました。今、少し考えたことがあります。申し訳ありませんが、暫くの間、工房に篭もる頻度が高くなるかと思います。仕事の差配など、その分お任せすることが多くなるかもしれません」
「承りました。何をされるおつもりかは分かりませんが、参謀本部内の事はお任せください」
「クークラも、寂しい思いをさせるかもしれないけど」
「大丈夫だよ。うん。例え寂しくても、ボクは大丈夫」
キキさんは、クークラのはっきりとした答えに、ハクとの強い絆を感じた。
信頼がなければ、クークラはもっと駄々をこねただろう。
「ねぇ、ハク」
「なに?」
「もしもハクが死んだら、ボクの周りに残って、見守ってくれる?」
「……それは……」
「……うーん、ハクは意思が弱そうだから、無理かなぁ……」
思わず、キキさんは吹き出した。
「あっ……酷い……」
ハクは心底キズついたような表情をした。
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