第一章:愛情に包まれて

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「あら、わたくしは褒めていたつもりなのですが……」 「それはそうなんでしょうが……、それよりも、もう一つ、母の魂のことで教えてもらいたいのですが」 「私に分かることであれば」 「いま、母の魂が喜ぶと言うのを聞いて思ったのですが、感情が残っているということは、それこそ喜ばせることも可能なんでしょうか?」 「おそらくは可能でしょう。ただ、その方法となると……」 「分かりました。今、少し考えたことがあります。申し訳ありませんが、暫くの間、工房に篭もる頻度が高くなるかと思います。仕事の差配など、その分お任せすることが多くなるかもしれません」 「承りました。何をされるおつもりかは分かりませんが、参謀本部内の事はお任せください」 「クークラも、寂しい思いをさせるかもしれないけど」 「大丈夫だよ。うん。例え寂しくても、ボクは大丈夫」  キキさんは、クークラのはっきりとした答えに、ハクとの強い絆を感じた。  信頼がなければ、クークラはもっと駄々をこねただろう。 「ねぇ、ハク」 「なに?」 「もしもハクが死んだら、ボクの周りに残って、見守ってくれる?」 「……それは……」 「……うーん、ハクは意思が弱そうだから、無理かなぁ……」  思わず、キキさんは吹き出した。 「あっ……酷い……」  ハクは心底キズついたような表情をした。
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