第1章

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あれから15年後…僕は大学を卒業して社会人になった。 就職祝に家族で食事に出かけた時に意外な事実を知る事になった。そして、それが恐怖の始まりだった…。 「優斗も立派になったな。」 「父さん、何、言ってるんだよ。やめてよ。」 「あら、本当よ。心配してたのよね、あなた。」 「そうだぞ。ほら、小さい頃、おばあちゃんの家に遊びに行っただろ?あの時のお前を思えば…。 なあ、母さんだって心配してたんだぞ。」 「えっ?何の話なの?」 「覚えてないか?」 「おばあちゃんの家に遊びに行った事だったら覚えているけど。それがどうしたの?」 「まあ、今だから言うけどな、お前、毎日、お弁当やおやつを持って楽しそうに出かけるから、父さんと母さんは不思議で後をついていったんだよ。」 「えっ。何、それ。」 「そうしたらさ、お前はひとりで話して笑って、一人芝居でもしてるかのようで…父さん達はどうしていいのか分からなかったんだよ。」 「一人芝居?」 「ああ。ひとりで話してるんだよ。それも楽しそうに。父さんと母さんの育て方に何か問題でもあるのか真剣に悩んだよ。」 「えっ…。父さん、何、言ってんの?僕、おばあちゃんの家に遊びに行った時、マサトとずっと遊んでいたんだよ。」 「マサト?」 えっ?父さんと母さんの顔が能面になった…。 「「マーサートー?だーれーそーれー。」」 スロー回転にしたレコードのような、籠った声で、能面の顔をした父さんと母さんが僕を見て言った。 「ひぃ…!」 ガタッと勢いよく立ち上がった僕は一目散にその場から逃げ出した。
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