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そうだよ。耳元で聞こえて仰け反った。
「ずっと待っていたのに、ユウト、なかなか来ないから俺が呼んだんだよ。」
「え…何言ってるのか…わからないよ。」
「俺を見つけてくれた。だから、ユウトは少しだけ残してやるな。共存だ。」
「…マサト。いったい…何言って…。」
マサトの手が僕を捕まえる。ニッと笑うとマサトは渦を描くように頭から胴体まで螺旋状に歪んだと思ったら、煙のようにシューっと細く一筋立ち上がる白い物が僕の口から体内に入っていく…。
「な、何…すんだ…マサト…。」
(ほら、こうすれば、いつでも一緒だろ。)
頭の中から聞こえる声…。
「うわぁぁぁぁ!どうなっているんだ!喋るな!止めてくれよ!マサト!」
(俺はもう、お前の中にいる。共存と言ったよな。少しずつ、ユウトからマサトになっていくよ。よろしくな。)
「何…何言って、お前…止めてくれ…僕から出て行って…頼むから…。」
(ダメだよ。それに…。)
夢だ…そうだ…僕は夢を見ているんだ。マサトとの約束を果たしにいこう。会いに行くよ。夢から覚めたら…。
(くすっ。ユウト。夢じゃないよ。俺、ここにいる。ほら、こうすれば、約束を破ることもないだろ。)
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