古ぼけた日記帳

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 それしか思い当たらないから間違いはないと思う。  ここで漸く、この日記帳が曽祖母の物だと理解できた。 『十二月十九日 身を刺すような酷く寒い日。膝掛けを編みながら居眠り。』 『三月十五日 非常に良く晴れた日。ちさ子、子を連れ里帰り。おはぎが食べたいとせがむ友子に甘く、正午おはぎ作りに精を出す。』  友子ってお母さんの事だ!  母が良く作ってくれるおはぎは、私の祖母からの味だと思っていたけれど、もっと前からの物だと分かった途端胸が熱くなった。
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