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読むのも嫌になる小難しい書面の一番上に
僕の名があった。
「君が天宮家の次期当主だ――おめでとう」
ぽかんとしている僕の手を取り
九条さんは無理矢理握手を交わす。
納得いかないのは王様で。
「ちょっと待て!社会経験もない常識も人脈もない――こいつに一体何ができる?」
至極まっとうな意見で
握リ合わせた僕らの手を振りほどく。
「ああ、だからもう一つ決め事が――」
こうなることは想定内とばかり。
「ここを読んで」
九条さんは冷静に
僕が握った書面の下部を指さした。
そこには――。
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