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初めはただ登り詰めよう それだけだった 己に打ち克つ それだけだった そのためにどれ程の犠牲を払おうと 己に課せた道程を歩むのだと いつからだろう 思い違いも甚だしく 勝つために己を高めるのではなく 他者を蹴落とすようになったのか 登り詰めるための壁を他者のせいにして せせこましく蹴落とす算段に頭を働かせ 弱き力でねじ伏せて そうして登り詰めたと勘違いした先は 孤独だけの霸の道 いつからだろう いつか足元を掬われるよ 聞こえる囁き 己の内なる声 独りの覇者に注意する者なんていない 因果応報 今になって後悔か 露見する弱さ 己と向き合う事も 他者との対峙も 逃げてねじ込んできた歪み 四方八方針の山 これが望んだ霸の道の末か
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