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「シトリンが謝る事では無いからお詫びはいいんだけどね。それよりソレ、どうするの?青龍が居なくなったら色々と不味いんじゃないの?」
さっきの『排除』の言葉が気になってシトリンに聞いてみると、大丈夫、と微笑まれた。
「青龍には息子が居てね、まだ若いんだけど有望な優しい子なんだ。今、創造神様が彼を天界に連れて行って青龍を継がせる手続をしてるから」
「何だとっ!?」
青龍はシトリンの言葉に慌てる。
「待ってくれ、あ奴はまだ小僧だ、青龍を継がせる訳にはいかん」
「君よりはずっと相応しいよ。それに決めたのは創造神様だ」
抗議した青龍にきっぱり言い切るシトリン。
最初は諭す様な優しい言い方だったのに、段々苛ついて口調がキツくなっていってる。
まぁ、反省の色が全く見えずに口答えばかりの相手をしていたら当然か。
と。
「クソっ、お前等さえ現れなければっ」
青龍が僕達を睨んで呟く。
えー、僕達のせいじゃ無いよねー?
流石にこんな青龍の呟きには、とうとうシトリンがキレた。
「君、本当に消えたいんだね。安心して、創造神様が消してくれるから。それとも創世神様に差し出そうか。それが良いかな、そうしよう。きっと耐え難い苦痛を与えながら消してくれるだろうからね」
可愛らしい美少年であるシトリンが、能面の様な顔で抑揚無く淡々と言う姿は、軽くホラーだ。
思わず僕も震えたよ。
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