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そしてシトリンは青龍を連れて天界に戻って行った。
リオウが結界を消す。
「何だったんだろう。結局僕ってこの世界の者達には歓迎はされてないって事?」
思わず呟けば。
「それは違います。単に父が馬鹿なのです」
なんて、聞き覚えの無い声が背後から聞こえた。
振り向けば、青い髪の青年が立っていた。
さっきの青龍と面差しが似ているし、『父が』と言ったのだから、先程話に出た青龍の息子なのだろう。
「はじめまして。先程は父が失礼を致しました。青龍を継ぎました、蒼葉(あおば)です。よろしくお願いします」
深々と頭を下げた蒼葉に、僕も、よろしく、と会釈を返す。
「突然お邪魔してしまい、申し訳ありません。創造神様が挨拶は早い方が良いだろうと仰ったので」
シエラは僕が家に戻ってしまわない内に、と慌てて蒼葉を此処に送ったらしい。
レイは、構わない、とソファーに座り蒼葉にも座る様に促す。
リオウも僕を持ち上げ自分の膝に乗せてソファーに座ると、お茶を用意し始めた。
迎え入れられた事にホッとした顔をした蒼葉。
あんな事をした父の後で何をされるのか言われるのか怖かったんですよね、と後に笑い話にする位、緊張していたらしい。
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