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生まれてこのかた殆ど口をきいた事の無い伯父が僕と向かい合い、立っている。
背の関係で仕方無いのだが、見下されてる感が半端ない。
威厳を保つ様に振る舞っていれば当然の事かもしれないが、これまでの事を考えると厄介者と思われてるんだとの認識だからな。
母様は壁際に控えていて、口をきく事を禁じられでもしているのか、ずっと黙っている。
すると執事の用意した台に乗せられた水晶玉が、僕達の間に置かれた。
「それに触れてみなさい」
伯父、ミクリア・ミスティアナに言われ、一歩前に出る。
挨拶も無しにいきなり言われた言葉がこれだから、やっぱり僕は嫌われているんだろうな。
兄妹仲は良かったらしいから、現状の母様の待遇はやっぱり僕が生まれたせいだろう。
なんて考えながら、これで僕が魔盲とかなら僕だけ捨てられて居なくなれば、母様はこんな身を潜める様な生活から抜け出せるんじゃないかとか思ってしまう。
でも逆に母様までもが酷い目にあわされるかもしれないし、と、頭の中でグルグルしながら、何も細工をしないまま水晶玉に触れた。
夜の特訓では解放される魔力や属性も、昼間はきちんと封じてあるから、とんでもない事にはならないだろう。
すると水晶玉は光り、中に髪の色と同じ薄い水色、目の色と同じ碧色、青色、白色の4色の玉が浮かんでいた。
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