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「何事だ」
伯父が低い声で聞いてくると、男メイドは顔を青ざめさせて俯いた。
「ソレは私の屋敷から連れてきた者だった筈だが、何の真似だ?その者は何者だ」
レイを警戒して魔武器を出して構えるが、無闇に突っ込む事無く、静かに聞く。
僕が怯えずに腕を組んで男メイドを睨み付けているのを訝しんでいるからね。
それを見てから僕はニッコリ笑って言ってやる。
「毒を盛られたんだから、そりゃ捕まえるでしょ。彼は僕の使い魔だよ」
すると男メイドは、声を無理に高くして慌てて否定する。
「っ!なっ、何を言ってるのかしら!?手もつけずに言い掛かりはやめて下さい!?」
うげ、キモい。
こいつの声を伯父も初めて聞いたのか、眉根を寄せて男メイドとそれを拘束しているレイ、それから僕を順番に見ていく。
「使い魔、だと?」
更に眉根を寄せた伯父をスルーして、僕は男メイドに反論する。
「そんなの食べたら死ぬじゃん。なら試しにあんたに食べて飲んで貰おうか。それで疑いは晴れるよね。その前に黒幕が誰なのか話せば無理に食べなくても良いけど」
僕の言葉に、男メイドは顔をヒクヒクさせて、私は何も知らないわっ、と言い張る。
「ならレイ、そいつにその歪なクッキー?食べさせて」
僕がレイに頼むと、わかった、と男メイドを引き摺ってお菓子の所に行く。
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