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「聖人……ミライラ、それは本当なのか?」
伯父は何故言わないとばかりに母様を睨むが。
「その様な話は聞いておりませんわ。ただ、セレイアスからは縁談は全て断る様に言われておりますけれど。ですから婚約の話も無かった事にして下さいとお願い致しましたわよね?なのに諦めてませんでしたの?」
母様は困った顔で自身の兄を見つめ返した。
「む、そうだが……それならどうする」
目を逸らして呟く伯父に、ならミナリスの婚約者にリリシェラはどう?と僕は案を出す。
リリシェラは母様と伯父の母親の兄の息子の娘、つまり僕とミナリスの又従姉妹で、確か僕と同じ5歳の筈だ。
家柄も風の大貴族と申し分無い。
何度か一緒に遊んだ覚えがあるが、優しくて良い子で、ミナリスとも仲良しだった。
リリシェラの歳の離れた兄のランティスが邪魔しまくっていたが、あの2人なら良いんじゃないかな。
リリシェラは向上心があるし、ランティスが妹に何かしようとする輩は潰すだろうし。
因みに縁談を持ち掛けてきたのは、闇なんだとか。
霧が隠密に向いてる属性と考えられていて、闇と通じるものがあると思われている様で。
つまり闇に霧を取り込みたいとの思惑があるらしいな。
霧の元は水なのに(笑)知らないって怖い。
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