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「フウハは何も聞かされてなかったんだね」
そう言われて、リオウとレイはこの世界での僕の立ち位置を聞いていたのか、と理解する。
「これがサプライズプレゼント?でもあまり嬉しくないんだけど」
「ん?それは知らないけど、フウハがその問題で困らない様にって配慮らしいよ。でなければ家を飛び出すよね?」
僕の不満にそう返すリオウに、それの予防なのかよ、と呆れた。
「それにその肩書きがあると権力者に従う必要が無くなるしね」
それを聞いて僕はやっと、成る程、と納得した。
聖人が権力がある訳では無いが、神に選ばれた特別な者として権力者が手出し出来ない事になっている。
もし手出ししたら天罰が下り命を落とす。
それがたとえ王であっても。
が、そこまでする必要があったのだろうか。
困った事態になれば逃げれば良いだけで、ひっそりと過ごす事が出来なくなった代償は大きい気がするよ?
それでも僕が困らない様にとの配慮の気持ちは有り難いので、無理矢理不満を飲み込んだ。
それを見たリオウは笑顔になり、皆に向き直り自己紹介する。
「魔神と言う事になっている魔人のリオウだ。フウハは俺の娘みたいなものだから、フウハに危害を加える輩は潰すから。宜しく」
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