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実際は魔法を使うのは初めてでは無いんだけど、それは特別な空間で魔力も属性も全解放した状態での話で。
諸々封印してるこの状態では初めてだ。
つまり魔法を使う時の感覚が全然違う訳で、加減が難しいのだ。
だからリオウの言葉に嘘は無い。
それを一発でやってのけた僕は、思わずドヤ顔。
リオウは再び僕を抱き上げて、自分のボックスから取り出した椅子に座る。
それ、彼方の世界の北の魔王城で使ってた魔王様の椅子なんじゃ(笑)……持ってきちゃったの? そう言えばお気に入りだったっけ?
「コントロール訓練は身体の中で出来るから、2歳からずっと続けてきたんだよ。その成果が出たね」
ちょっと説明臭いなと思いながら口にすると、体術はセレイアスがもっと幼い頃から教えていましたしね、と続ける母様。
「英才教育も良い所だな」
ミクリア伯父は呆れた声を出すが、ラスティおじ様は再び、聖人でなければな、と悔しそうに言った。
だからー。
ランティスは良いお兄さんだとは思うけど、嫁は嫌だって。
それにさっきは友人と言ってたけど、守りたいと言った彼女をランティスはきっと好きでしょ、恋愛的な意味で。
呆れた顔をする僕に気付いた母様は、僕が言いたかった事をラスティおじ様に言う。
すると途端に狼狽えるランティス。
図星だったようだ。
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