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「それは両親の役に立つ事をしたいわ。だって魔盲だとわかっても変わらない愛情を注いで育ててくれたんだもの。私みたいなのは極稀で大抵は捨てられて命を落とすんだって知ってからは、本当に感謝しか無いの。私が魔法を使える様になれば、お仕事の手伝いだってもっと出来るもの」
仕事の手伝い、と聞いて首を傾げれば、彼女はギルドのマスターの娘だとランティス。
成る程、それなら身分違いをそんなに気にしなくても良いんだな。
此処ではギルドマスターの地位は国王と同等なんだとか。
ギルドの軍事力を王の勝手で動かせない様にとの事らしい。
なのでギルドマスターになるには厳しく厳選された者がなるのだ。
つまり彼女の親は能力の優れた人格者であり、それなら彼女を捨てなかったのも彼女の馬鹿みたいな魔力量も頷ける。
因みに、ギルドを軍扱いなのは、属性のトップとして帝の地位を担う者達の下で、手足となって働く部隊があるから。
世界が違えばギルドの仕組みも随分と違うもんだ。
此方の帝は部隊の隊長でもある為、向こうで僕やレオンがなった様な帝のなり方は有り得ない。
だから今度は帝にならなくて済むかと思うと、かなり気が楽だな。
で。
「ふぅん、今まで馬鹿にして蔑んできた連中に仕返ししたいとか思わないの?」
ロワの言葉が本心かを知りたい僕は、次の質問をする。
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