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ま、復讐に凝り固まるのは良くないけど、ある程度ならスッキリ出来るし、もうチョッカイを掛けてこなくなるからな。
復讐したいと思ってても否定はしないよ。
だけど、両親を尊敬する彼女は親と同様に人格者であるらしく。
「私は見返せればそれで良いわ。仕返しなんて虚しいだけだもの」
答えた彼女の瞳に嘘は無さそうだ。
イイコ過ぎる気もするが、それなら魔力を解放しても悪事を働く事は無いだろう。
その返事にラスティおじ様も、ほう、と感心する。
良い印象を持ったみたいだね、良かったじゃん、ランティス。
で、だ。
「このまま封印を解くんじゃ不安しか無いよね。少し体内で魔力をコントロールする練習をしようか」
僕だってちゃんと安全に解放させてあげたいからね、段階を踏んでからなら命を落とす危険は少なくなるんだから、ちゃんと手を貸そう。
僕はロワの前に行くと、背中を触らせて、と頼んだ。
「え、コントロール?背中?え?」
訳がわからず小首を傾げるロワにランティスが頷いてみせて、ロワは僕に背を向けてしゃがんだ。
その背中の中央に僕は自身の両手を添えた。
まずは魔力を認識して貰わないとな。
「これから僕が魔力を流すから、それを感じてみて。何時もとは違う感じがする筈だから」
僕の言葉に、ええっ?と驚くロワ。
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