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久重琵巨
またなんだか読めない表札……。
農家の玄関にかかっている。
ひさしげ……びきょさん?
違うよね!?
ひおみ?
ひしげ?
なんて読むんだろう?
「こんにちは……。」
インターホンも、
呼び鈴すらない。
屋根が、
都会の屋根とはちょっと違っていて、
茅葺きをトタンに換えたみたいな作りをしている。
ドアは横にスライドさせる引き戸……。
鍵かかっているのかな?
そっと開いているか試してみたら、
チリチリチリ!!
開けると音が鳴る!
「す……スミマセン!!
どなたかいらっしゃいますか?」
中を覗きこんでみたけれど、
返事がない。
「失礼します……。
お邪魔します~。」
玄関を覗くと、
靴がある。
この靴を履いている人は、
中に居ないのかな?
田舎は戸締まりしないで、
出かけたりするみたいだよね……。
上がり口に腰かけて、
ここの家の人が、
戻ってくるのを待ってみることにした。
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